女装、はじめました

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主人公暁斗の幼なじみ千春はとにかく男運が悪い。いつも変なやつにつかまってしまう。あるとき、彼女に近付いて来たのはクラスのイケメン大地だった。こいつは爽やかイケメンで女子には人気だが、裏では女遊びがひどくいい噂を聞いた試しがない。心配した暁斗は千春に忠告するが、聞く耳持たず。私の恋を邪魔しないでと怒られてしまう。落ち込む暁斗にとんでもない提案をしてきたのは、化粧品業界に勤めている姉だった。「女装してあんたがその男子を落としたら?」 大地の裏の顔を暴くことが出来れば、彼女を救えるかもしれない。藁にもすがる思いで、日々特訓し、暁斗は美少女へと変貌を遂げる。 暁斗は千春にばれないように、大地の回りをうろうろし始める。罠にかかった大地は千春を振って、暁斗に付きまとい始める。暁斗が何かをしたのでは?と勘ぐる千春の怒りは収まらず、暁斗と千春はケンカをしてしまう。たまたま出くわした姉に「変な男に気をつけなよ」と心配された千春は、暁斗の行動をぶちまける。そこで姉に見せられた写真には既視感のある美少女が写っていた。 びっくりして写真を見つめる千春。 そんな彼女に姉が一言「二股男からよほど助けたい女の子がいたようね。まぁ、努力の方向性はバカだけど。」姉はにやりと笑い、千春を見つめる。千春はやっと意味を理解して口をパクパクさせた。 中性的な顔の暁斗。男モノの制服を来て学校に向かう彼に美少女の面影は微塵もない。 失恋した千春を柄にもなく慰めようとしてくれる彼に温かい気持ちになる。 「もういいの、あんなやつ。私、新しい恋始めるから。」 「変なやつにだけは捕まるなよ」 「もう捕まっちゃったかも?」 「え゛っ!?誰!?」 勢いよく振り向いた暁斗に千春は吹き出しそうになった。 しつこく聞いてくる暁斗を適当にあしらって、千春は軽い足取りで歩き始めた。
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