第7話 恋なんてするつもりなかったのに。

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そんな事言われたらすごくすごく動揺する。 『ありがとう』 この言葉を返した後、何を話したら良いか分からなくなって。響也くんも黙ってしまった。 どうしよう、何でこんなにドキドキしてるんだろう!? 『じゃあ、私はここで』 「ああ」 『今日はありがとう。また遊びに行こうね』 「おぅ。ま、また誘う」 『また学校でね』 家の前で響也くんとバイバイした。 顔がすごくすごく熱い、おかしい私。 「ひなた、お帰り。遅かったわ……」 出迎える母に対応する事もなく、私はすぐさま部屋に駆け込んだ。 部屋に入るなり、ベッドに飛び込み気持ちを落ち着かせようとフワリンちゃんのぬいぐるみを抱きしめる。 今日はすごく楽しかったと同時にすごくドキドキした一日となった。 スマホを開くと、猫カフェで撮った響也くんの写真がたくさん保存されている。 写真見返すだけでドキドキが悪化する。 私、どうしちゃったんだろう? 二人で遊びに行こうと誘われた日からずっとずっと響也くんを意識してしまっている。 これじゃあまるで私……。 自分自身恋なんてしないと思っていた。 病気をしてから自分に自信はないし、恋愛なんかって思っていた。 なのに、なのに、気付いてしまった。 私、響也くんの事が好きなんだ。 もっともっと響也くんの事を知りたいって思ってるし、もっともっと響也くんに近付きたいって思ってる。 最初は苦手意識あったのに不思議だ。 初めての気持ちに戸惑いながら私は眠りについた。 前にお祭りで道に迷った私を助けてくれた男の子以来だな、この感覚……。 次、学校で響也くんに会った時普通に出来るかな。 気持ちが落ち着かない! 頭から彼が離れない。 私が私じゃないみたい。 これが好きって気持ちなんだ……。
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