良かったらうちに来ない?

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 人生における幸運をここで全て使い切ってしまったのではないか、と不安になるほど真琴はないしん狂喜乱舞していた。 「じゃあ、いつから来てくれるかな」 「明日にでもっ」 「あはは、よろしくね。書生くん」 「はいっ」  真琴は勢いよく礼をすると、くるりと踵を返してリビングを出た。 (早く帰って準備しなくちゃ)  と期待に胸を高鳴らせていた。 ◇  翌日、真琴はさっそく鷹城のマンションに向かった。手にはいつもの仕事用トートバックと荷物を詰めたボストンバックを持っている。  なんだかんだと準備をするうちにもう夜七時。  昼間、鷹城宅に下宿することを友人達に話した。幼き頃から真琴が推理作家を目指しているのを知っている友人達は、心配もしていたが、しかししばらく不在になるアパートの留守を快く引き受けてくれた。  真琴がどきどきしながら一階のインターフォンを押すと、やや落ち着きの無い鷹城の声がした。玄関の鍵は開けておくと言われ、そのまま部屋に向かう。
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