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(恋愛って大変そうだな。俺たち付き合ってないって、一体どういうことなんだろう。まあ、おれには関係ないけど)
真琴は鷹城を眺めていた。
名作推理小説の探偵ジャーロック・ポームズが心の恋人の真琴は恋愛にはとんと縁が無い。それもそのはずで、こんなに冴えない容姿では女性は誰も声をかけてこないのだ。
真琴も今は夢を叶えるのに精一杯で他にかまける時間はない。
するとふいに鷹城が振り向いた。真琴と目が合うと、「やばい」というような表情をし、慌ただしくまた背を向け声を落とした。
電話の声はますますヒートアップし、とうとう、
『――ッ!!』
「もう別れるって、おいっ、ちょっと――・・・・・・。チッ、切りやがった」
鷹城は溜息をつくと、スマホを尻ポケットにしまってから力ない笑みで真琴に向き直った。
「あはは・・・・・・いらっしゃい。最初からとんでもないものを聞かせちゃったね」
「いえ。今夜からよろしくお願いします」
真琴は表情を変えずに礼をした。
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