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「お茶でも淹れてもらえる?」
「何がいいですか」
「ココア。甘いもんが飲みたい」
「分かりました」
真琴はキッチンに向かう。鷹城はばつが悪そうに何故か後を付いてきた。
「あのさ・・・・・・話、聞いてたよね? 俺のことだらしないと思ったでしょ。こういうのもう止めようと思ってるんだけど、なかなかね」
「はあ・・・・・・」
真琴は覚えたばかりの引き出しから市販のココアの粉を取り出した。そしてスプーンで粉をこぼさずマグカップに入れることに集中しようとする。
(恋愛話は苦手なんだよな・・・・・・。誰かと付き合った経験も無いし)
真琴は恋愛ドラマなどを見ていても、主人公の悩みが堂々巡りに感じ、途中で面倒くさくなって視聴を止めてしまう。基本的に当事者たちでなんとかしてくれと思うタイプだ。
「本気になれる相手がいないっていうか、俺も腹くくれないっていうか。いつまでも遊んでいる場合じゃないのは分かってるんだけどさ。君も相手が俺みたいな男だったら嫌でしょ」
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