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本人同士の納得
「いいんじゃないですか。本人同士が納得してるなら」
真琴は手を止めずに答える。
「そういうの、イヤじゃない?」
「別に」
何の気なしに真琴は言った。
「・・・・・・」
頭上から少し驚いた気配がした。気になって顔を上げると、そこには目を見開いた鷹城がいた。
「へえ、結構大人なんだね」
ややあって、鷹城が口の端を片方引き上げてにやりと笑った。妖艶な笑みに真琴は何故かぞくんとした。
(わっ、わっ、わっー・・・・・・!)
真琴は慌てて俯いた。心臓がどきどきと音を立てている。
用意しておいた片手鍋に牛乳を注ごうとして手が震えた。ようやく注ぎ終えると、片手鍋をコンロにかける。
(わあ、びっくりした。先生、すごいイケメンだな)
顔をメディアに出している作家は何人もいるが、鷹城は飛び抜けて見目麗(みめうるわ)しい。以前からそう思っていたが、こうして間近で見ると破壊力が凄まじかった。
その時だった。
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