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「確かによく見るとお前、なかなかいいかもしれねえな」
「へっ!?」
耳許(みみもと)で声がして真琴は飛び上がった。振り返ると腰をややかがめた鷹城が真後ろにいる。漆黒の瞳が正面から真琴を見詰めていた。
「せ、先生。今・・・・・・」
(おれのこと、お前って呼んだよね?)
心臓が先程とは比べものにならないほど高鳴っている。それに突然言葉遣いが荒々しくなったようだ。そう、さっき電話で女性と話していたときのように。でも不思議とお前と呼ばれても不快ではなかった。
そんな真琴の戸惑いにはお構いなしに、
「小っちゃくて、ちょこまかしてて、雰囲気が丸っこいところがハムスターみてえ。小動物系っていうの? うん、ありだ、あり」
「は、はい?」
「今までの相手は女豹っていうか、いい女系ばっかりだったしな。たまには違うタイプもいいかもしれねえ」
「何をおっしゃっているのか分かりませんが・・・・・・」
「心配すんな。後でたっぷり分からせてやる」
鷹城が言った。
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