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ゴローちゃん
本来ならばゴローちゃんなる人物はみどりさんの契約先だ。しかしみどりさんは出勤の一時間ほど前に自宅の階段で足を滑らせて、右足首を複雑骨折してしまったのだ。
その連絡をもらったとき〈みさき家事代行サービス〉の事務所にいたのがたまたま真琴で、急遽代打になった。
みどりさんはピンピンしているがさすがにまだ動けないので、真琴はすぐに快諾した。
みどりさんにはアルバイトとして勤め始めた頃から世話になっている。少しでも力になりたかった。
ところが驚いたのはその後だった。
――ゴローちゃんねえ、作家なのよ。官能小説を書いていらっしゃるんですって。あ、勘違いしないでね。本人はとても紳士で素敵な方よ、安心して。真琴ちゃんはミステリー作家志望なのよね? いいご縁になるんじゃないかしら、うふふ。
みどりさんとの電話を切った後、やや興味がわいてきたのは否めなかった。
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