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飲み会
「俺って女を見る目が肥えてるっていうかさ」
久しぶりに会った大学時代の友人たちとの飲み会。
ついつい、ちょっとだけ、元カノ自慢をしてしまった。
「だって、俺の付き合った女たちって、セレブ系に愛されちゃうんだぜ。どんだけクオリティーが高い女たちだったかっての」
アルコールの勢いでぶちまけてみた。
それなのに、すぐさま横槍が入る。
「でも彼女たちに共通しているのは結局、お前を選ばなかったってことだよな。お前がつなぎとめられなかったっていうか」
なんだよ、そのあっさりとしたディスり方。
「女子目線で言わせてもらえば、山崎君ってさ、ちょっと自分が落ち込んでたり、自信がない時、つまりは通常運転じゃない時に丁度いい感じなんだよね」
「それってどういう意味だよ?」
「スキー場にいる格好いいスキーヤー。陸に上がったら、普通の人みたいな。正常な判断が出来る時は、選ばれないってこと。だって、いろいろ残念な感じだもん。付き合ってからのサプライズなさそうだし、奥行きないっていうか、薄っぺらいっていうか」
なんだ、この辛辣な意見。
彼女に俺、何かした?
「キツイなぁ、そんなダイレクトに言わなくても」
なんか、みんな、彼女の意見に同意してる?もしかして、みんなが思ってることなの?
「俺に魅力があったから、彼女たちだって、俺と付き合ったってことじゃん?」
もう一度だけ食い下がってみた。
「別れてから、再会した彼女たちと良い感じになったことあった?久しぶりに会って、焼け木杭には火が付いたみたいなこととか。」
それはない。
こっちがそう思ったところで、相手からは、けんもほろろっていう態度とられたし。
どっちかと言うと、俺と付き合った過去を忘れたい感じ?だったような。
「彼女たちにとっては黒歴史なんじゃない、山崎君と付き合ったこと?山崎君もさぁ、社会人になって成長するどころか、魅力が後退してたんじゃない?」
そりゃぁ、確かに、最近俺を見る高橋さんの目が冷たいっていうか。
役職的に彼女の方が上だから、どうしたところで命令口調というか。
。。。。。それって、俺が忘れたい過去だから?
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