俺様は。。。

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俺様は。。。

俺様、山崎風斗は、なかなか女を見る目があると思う。 橋本杏にしろ、高橋結愛にしろ、ウチの会社のトップ二人の配偶者が俺の元カノっていうところからも分かるように。 俺ってスゴイよな? それに俺って、そこそこモテるんだよね。 まぁ、モテる訳っていうのがあるんだよ。 その理由を理解したのは、結構、人生の早い段階だった。 ちょっとカッコイイ系のスポーツ万能な友達が小学校の時にいた。 ガキの頃なんて、運動神経がいい奴が注目を集めやすい。そんでもって、当人がちょっとシャイだったり、ガサツだったりすると、女子がダイレクトに本人にアクセスするのが難しいケースが出てくる。そこに俺みたいな、コミュ(りょく)だけで勝ち上がってきたようなのがいると、女子は自然と俺と話すことも多くなる。話している内に、向こうも俺に心を開いてくる。それに加えて、告ろうとしていた本人からゴメンナサイなんてされでもしたら、まぁ、この手近なところ(オレ)でいいかということになって、俺と付き合ったりしてしまうケースがあるんだな。そうゆう漁夫の利みたいなケースが、今の俺を形作ったと言っていい。 結愛の場合はこうだった。 どっちかと言うと、彼女は『高嶺の花』的な存在だったから、多くの男たちが躊躇してしまうことが多かったように思う。そうゆう場合、当事者本人には実際に付き合うチャンスが少なかったりして、結構、恋愛偏差値自体があまり高くないケースも多い。恋愛経験が少ないから、結局、押せ押せの男にホロリときたりする。もしくは、そうゆう奴等からの盾、つまりはそうゆう奴から守ってやるふりをすると、今度はこっちにもチャンスが巡ってくるという訳。 そう、結愛と付き合ったきっかけは、ストーカーじみてきていた学生時代の男友達から俺が彼女を守るというポーズをとったことだった。誓って言うが、言い寄ってきたあいつはストーカーではなく、一途なだけだったんだけど。ちょっと、俺が針小棒大に結愛に吹き込んだだけだったんだ。 結愛と付き合えて、俺は舞い上がった。見せびらかしたい。どこに行くのでも、彼女を連れて行った。羨望の眼差しが、こんなにいいモノなのかと経験できた。でも、思ったより長くは続かなかったけど。 年上だった彼女が社会人になり、周りにいる社会人の男たちの価値と俺の存在価値を比べられたら、勝てる訳ないじゃないか。 それに、彼女、見た目はパーフェクトなのに、家の中でのギャップ具合に正直、こっちがめげたというのも大きい。 家事能力ゼロどころか、ただの腐女子じゃないか。 城嶋さんと結愛が結婚すると聞いたときは、本当に大丈夫なんだろうかと、俺が城嶋さんのことを心配したくらいだった。
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