私の知らない涙

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★ 気がつけば、朝になっていた。 何だかリアルな夢だった。 小学生の頃の家庭環境等は、記憶の通りで、今思い出しても鳥肌が立つ。 しかし、私には身に覚えもない出来事。 出てきた場所も、あの惨めな出来事も。 あの男の人も。 私の記憶には、存在しない。 だから、私には関係の無い事。そもそもただの夢。作り物の世界だ。きっと、最近見た本やドラマに感化された物なのだ。 「あ…れ?」 なのに、目から溢れる物がある。 温かい雫が、ぽたぽたと零れ落ちる。 「あれ…何で。何でよ…。」 これは私じゃない。 泣いているのは…泣いているのは…。 「私じゃん…。馬鹿。」 意味も無い涙を流しながら、私は頭まで布団を被る。
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