7人が本棚に入れています
本棚に追加
紗知:14歳
男の人は、アキ。私と3つしか歳が変わらないのだ。意外だった。
私に同情したのか、面白半分か、家に住まわせてくれた。温かいご飯やお風呂も、清潔な服もベッドも久しぶり。勉強も教えてくれたし、護身術を覚えさせようと、道場に通わせてくれた。
でも、私なんかを拾うなんて、余程の物好きで、暇人なのね。
だって、私には何も無いもの。
いくら私に与えてくれても、私は何も返す事が出来ない。
だからせめて、役に立ちたかった。
勉強も、運動も、護身術も。
私なりに頑張ったの。
貴方は隠しているつもりなのだろうけれど、私は貴方の事を知っていたの。名前を聞いた時に、すぐにはっとした。
貴方がこの街で、どんなに冷酷で非道と言われているのか。今まで何をしてきたのか。
知っても尚、貴方と一緒にいたかった。
私を助けてくれた人だから。
どんな人でも構わない。一緒にいさせて欲しい。
そう思っていたの。
最初のコメントを投稿しよう!