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今日も女の子が、アキの部屋にいる。
新しい顔だった。家に着いたかと思うと、すぐに部屋に籠もった。
露出の多い格好をした、派手な女の子。
私とそう歳は変わらない女の子。
胃のあたりが気持ちが悪くなり、トイレに駆け込んだ。
「う…ぁヴヴゥ…エぇ」
違う。違う。
苦しくない。苦しくない。
これは私じゃない。
苦しんでいるのは、私じゃない。
吐いているのも、私じゃない。
辛くない。
何も辛い事は無い。
「…お風呂、入ろ。」
トイレを出て、風呂の支度をしていると、ドアがバンと開く音が、廊下から聞こえた。
アキの部屋の方角である。開けたのは女の子の方だろう。
廊下を走り抜け、玄関へ向かう足音。そして泣き声。
あぁ、またアキはやったのか。
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