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紗知:15歳
目の前に差し出された、銀色のリング。白い小さな宝石が、嵌め込まれている。
「全員とは、すぐ別れるつもりだよ。」
それを、私の薬指なんかに通し、いつもと違う穏やかな笑顔で、告げる。
「俺にはお前しかいない。だから、俺と一緒にいろ。これからも。」
信じられなかった。すごく嬉しかったの。温かいお風呂に入った時より、美味しい物を食べた時より、ずっと胸が暖かくて、幸せに満ち足りているなんて、思ってしまった。
私がアキの1番になれたんだって。親にも選ばれなかった私を、特別な存在にしてくれるんだって。
でも、すぐに現実に引き戻された。
あ、これ。
私も所詮、同じって事か。
よく見れば、安物だ。彼には、もっと高い物をぽんと買えるだけの財力がある。それに比べれば、これは数万程度の物。
抱いて、捨てられた、彼女達に与えた物と変わらない。
あぁ、そうか。15歳だもの。仲間内にも、食べ頃な年頃って笑っていたし。
私を女として利用する事に、切り替えたって訳ね。
私だけは、特別だと思いたかったな。
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