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「紗知。」
「煩い!!!!!」
アキを蹴り飛ばし、壁に沈める。アキの顔が苦痛に歪むが、全く悲鳴もうめき声も出さない。
もういい。
こんな男、どうでもいいんだ!だって、こいつも私の事を、どうでもいいと思っていたのだから!!
「信じてたのに!!!こんな…こんな物で私まで…私、の事も同じだったとか、知りたくなかった!!!」
ぎりりと、拳を握りしめた。
おかげで、左手の指輪が食い込んで、主張する。お前は、所詮代わりのきく玩具だったのだと。
わかっていたのに。それでも、捨てられなかった自分が余計に憎らしい。
「何しても許されると、思わないで。私だって、辛いモンは辛いの。人形扱いしないで!こうやって、我慢出来るけど、限界だってあるの!!」
「お前一体どうし…。」
「煩い!!!もう声も聞きたくない!!!」
力一杯アキを殴りつけ、私はアキから距離を取る。
何故だろうか、すっきりするどころか、胸が重くて余計に、息苦しい。
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