7人が本棚に入れています
本棚に追加
私は彼の役に立ちたかっただけ。彼に、恩を返したかっただけ。
彼の1番に、なりたかっただけなのに。
何故こうも、裏切られなくてはいけないの。
何故こうも、腹が立つの。
まさか。
私はこいつを愛していたの?
愛していた、は違う。
今も愛している。
こんな女で遊び、他者を痛めつける奴でも。これから、手酷く扱われるようになったとしても。私は愛しているのだ。
だが、彼は違う。
彼は私ではなく、自分に似た者を好きなだけだ。自分よりも、惨めな存在を愛していただけだ。私自身を見てはいない。
だからこそ、この関係を終わらせなくては。
愛しているからこそ、離れなくては。
彼の為にも、自分の為にも。なら、彼に嫌って貰えるようにしないとね。
「あんたには、もう幻滅した。2度と会わないから。」
そう捨て台詞を吐いて、アキの元を走り去った。
田舎の空だというのに、星1つ見えない、暗闇だった。
最初のコメントを投稿しよう!