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孫左衛門を美濃に向かわせるとして、次の問題は立花宗茂をどう対処するかである。
立花宗茂軍4000と筑紫広門軍600は東門に構えていた。
立花軍はよく訓練されており火縄銃の精度が高い。挾間から顔を出した兵を撃ちとめ、少しずつであるが確実に戦力を削いできていた。
また、天下無双とまで言われた宗茂が目立った動きをしないことも不気味であった。
「運が良いことに立花にいまだ動きはない。潰すなら早くが良いな」
「私もそう思っておりました」
「しかし、真っ向からぶつかるのは危ない」
「まさしく」
「夜襲しかない」
高次と門斎の意見は一致していた。
これより城守備隊の銃撃を強め、牽制しあい、敵軍を疲れさせる。そして然る日に、疲労して寝ている陣を襲う。という作戦である。
「大炊介達を呼べ」
精鋭500に号令がかかる。
「ようやく出番ですか。待ちくたびれましたよ」と大炊介がいった。
「体力はどうだ?」
「みなぎっております」
「うむ。やり方は任す。しかし、引き際だけは間違えるな」
「了解しました。して、いつやりましょうか?」
「十一日夜。それまで充分に休息をとれ」
それから城内はぞわぞわし始めた。
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