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十時連貞はその巨体に似合わぬ素早い動きで石垣をよじ登ってきた。一斉射撃に京極軍がすくんでいたため登る余裕があったのだ。
連貞以外にも数人の兵がいる。
「かかれ! やつを仕留めよ!」
門齋の喝が飛ぶが、連貞に向かった兵はことごとく斬られた。連貞は遠くの方を見やると、にやりと嗤った。
「尋常に勝負せい!」大炊介を先頭に京極の精鋭達が騎乗して、すさまじい勢いで突進してきている。
「お主とはまた後じゃ」
連貞はぼそりとつぶやくと、関貫を開けて東門を開いた。
立花軍もまた城内に乱入してくる。
津波と津波が衝突する。
血飛沫があがった。
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