1、「藤瀬愛奈×神田蓮」

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1、「藤瀬愛奈×神田蓮」

いよいよ明日だね!俺、愛ちゃんとの生活がはじまるだなって思うと、マジ 眠れないかも。 LINEメッセージは三時間前、つまり夜中の0時前、昨日と今日の境目を越えるタイミングで蓮くんが送ってくれたキラキラメッセージだ。 私はソファーからベッドに寝転びながら、スマホの画面を仰向けにかかげると、読み直したメッセージに思わずニンマリしてしまう。 あれから私達はLINE電話しながら何度となく「一緒に住みはじめたら、やりたいこと」を確かめ合うように話しては盛り上がった。 蓮くんと出会って今年で二年目、あっという間と言えばあっという間だったし、まさか自分が年下の彼氏を持つとは考えたこともなかった。  今まで付き合ってきた彼氏を部屋に上げることはしなかった。 それは別に一線を引いていたとか、焦らし作戦とかの駆け引きうんぬんではなく。 単に自分にとって一番のプライベート空間に対し、彼氏であっても赤の他人を 迎え入れることへの抵抗、ようするに他人と暮らすことなんて考えられなかっ たから。 だから今までの彼氏とのソッチの方はもっぱらホテル、色んなホテルを探索す る楽しさも覚えてあれはあれで楽しい思い出だ。  だけど、蓮くんは何か違った…どう違うのか?と問われれば上手く言えない んだけど、そう感じるキッカケを思い返せば、そうだあの時だ。 大学のアルバイト先で出会った私達は、シフトが重なることも多く休憩時間を 共に過ごす機会が多かった。 福祉系の専門学生である蓮くんと経済学部の私、全く違う分野の二人なのに妙 に馬が合い、次第に帰り道に食事したり時々アルバイト仲間で共に遊んだり友 達以上な関係が続いた。 私が就職活動に入りだすとバイトのシフトも合わなくなり、忙しい中で面接、 筆記試験と忙殺されながら頭のどっかで“蓮くんともこのまま連絡取らなくな るんだろうなぁ”と、ぼんやり思っていた矢先。 “愛奈さんお疲れ様です神田です。他のスタッフに忙しすぎてだいぶ疲れてる みたいって聞きました。良かったら来週夕方過ぎに二時間くらい会えませ んか?”
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