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1.孤独への夜
頭が割れそうな程に痛い......!
誰かからの攻撃なのか、それとも他の何かが原因なのか、分からないが痛い。
自分の身体に原因があるならば今すぐに見
つけだして、止めてやりたい、が。
ふわりと身体が無重力に浸されているよう
な感覚のせいで、それを見失う。
解放されたい。
それなのに、
気持ちとは裏腹に終わりは一向に現れない。
痛...い、痛い...、痛い──。
痛みは止まない、それどころか時間の経過
事に大きくなって残り続けているのを感じる。
そんな中、突然身体がどこかから思いっき
り弾け出されたように、宙を高速移動した。
それと同時に先程の痛みは嘘のように消え、
その代わりに全身に大きな重力が重くのし
かかる。
衝撃は自分の意識を少しずつ朦朧とさせ。
それが表の気持ちと裏の気持ちでバラバラに悲壮感を現し、その中にひっそりと悔しさも感じさせた。
今の気持ちの理由は自分の事なのに、よく
分からなかったが、そこから離れたくなかったのだけは心が教えてくれた。
薄れゆく意識の中、方向感覚など皆無な闇を最後に視覚で感じ取り、結果は瞼を閉じるに至った時。
「明日は○○○だ!」
突然──。
脳の中の妄想か、外部からの音声か。
一体誰の声だろうか......?
それが誰からの声なのか分からないままに、
中途半端な時に意識が完全に、飛んだ。
今の状況で、声がしっかりと聞こえた不可
思議。
人は音速を超えた速度で平行に動いた場合、
音が聞こえなくなるはずなのだが、この時
は確かに聞こえていた。
それを知っていようが知らなかろうが、
今の彼にとって、
確かな答えを知るのは本能的に拒まずにい
られなかったのかもしれない。
だから、
瞼はそのまま閉めたままで、すぐに眠りに
身を任せた──。
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