バイト中 Part8

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最近は毎日が楽しい。 何がって授業についていけるようになって、心に余裕が出たのが大きいと思う。 抜き打ちテストとか言われても焦らなくなったし。 そりゃさ悩みが何も無くなったかと問われればそうでもないけど、学生の一番の悩みと言えば勉強だしな。 ただなぁ、 うん、 「どうした。」 勉強の手が止まった俺にめざとく気付いたクソ店長が声を掛けてきた。 なんでもないと言えば良かったかもしれない。 それでもそう言わなかったのは本当に悩んでいたから。 「これ。」 そう言って鞄から出したのは2通の手紙。 1つは可愛らしい見た目でもう一つは質素な見た目。 どちらも所謂ラブレター。 人生最大のモテ期到来。 なんとも贅沢な悩みが舞い込んだ。 どう返事したら良いのか分からずに困ってしまっている状態。 実は可愛らしいのが男子からで質素な方が女子からだったりする。 「YESかNOか言えば良いだけだろ。」 簡単に言ってのけるクソ店長。 前回の時はしつこく食い下がられたからお試しでって付き合い始めたけど今回は2人だからそれは無し。 それに今はまだ彼女なのか彼氏なのか分からないけど、欲しいとは思わない。 目の前に置かれた湯気の上がるココアを見て思う。 何より今のこの家庭教師のいる生活を手放すのが惜しいしさ。 よし、明日断りの返事をしよっと。 ってかこのクソ店長、ココアとかガッツリ子ども扱いかよ。 クソが。 ;-)  
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