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ルカは月明かりに照らされた窓際で寝ている。
ルカから聞いた話を纏めるとこういう事らしい。
海に生きる彼女は身体の表面の水分を分解して酸素を作って呼吸をしているらしい。
だから俺が彼女を引き上げた時に、タオルで包んでしまった時は息が出来ず苦しくなっていた。今も水分が取られにくい所で寝ている。
だから彼女の今着てる服も実は少し湿気を帯びている。
魚の様に常に水に居なきゃいけないことはなくて、しばらくは大気中の水分を分解して呼吸が出来るが、時々水を浴びたいらしい。
父も母も失ってポッカリ空いた心の穴に突然現れたルカは何かを注ぎ入れてくれる様だ。
このタイミングで、どこまで彼女の為になるか分からないけど、今は小さな「ありがとう。」が嬉しかった。
このままもう一度、飛び降りに行く時間はあったけど、今日は波音が穏やか眠りへ誘ってきた。
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