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オルタとルカの姿を見て医者もリークも二人もそのままにしておいた。二人の時間が自然な目覚めで解けるその時まで。
「…ルカ…?」
俺は身体を起こした。俺の目の前に彼女の姿が。
「…オルタ…?」
ルカが身体を起こす。白い肌。その胸元から腹部へ手を伸ばす。ルカには似つかわしくない黒い棘。俺はそこをさすると棘は静かにルカの肌の中に取り込まれ、柔らかな皮膚へ。
「…オルタ……私…?…どうして?」
「……分からない…でも!ルカと俺は一緒に居れている!」
「…オルタ…。」
ルカの青い瞳とブロンドの瞳から一粒の涙が零れた。
「…これから…きっと色々あるよ。でも…、どんなに時間がかかってもいい!二人で乗り越えていこうよ!人として!他人を殺めてしまった事を、反省して、カイトの話も受け入れて!でも俺はルカと二人なら背負っていけるよ!ううん、背負っていく!
こんな俺だけど、ルカと変わることが出来るなら!一緒にいよう!」
「…うん…。オルタ…。私を愛してくれてありがとう!ミオおばさんの言った通りね。」
俺とルカは再度抱き合った。俺はルカをそのまま自分の一部にしてしまう位、強く抱きしめた。
「…ねぇ、オルタ?」
「?」
「前に約束したの覚えてる?」
「約束?」
「うん、クジラと一緒に泳ぎましょ!」
「あぁ!」
俺たちは手を繋いで病室を出た。そのままほぼ服を身に纏うことも無く、病院を駆け抜けて行く。周りの設備や病室など全く見ずに扉を開けて外へ。
そのまま二人で海へ飛び込んだ。
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