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「まあ!そんなに驚かないでよ。傷つくわ。」
さあ。と、手を差し出されて、立たせて貰った。女性に介抱してもらったなんて、恥ずかしい。情けない。
「すいません…。」
「謝らなくてもいいけど、この辺で道端に寝てたら、襲われちゃうわよ?私が見つけて良かったわ。あなた可愛い顔してるもの。」
そういえば、目の前の彼女は、少し普通の女の人より背が高いし、骨格がしっかりしているような…。声も若干低めだな。
そう、思わず観察していると、
「何?じっと見て。」
「あの失礼ですが、僕より背が高いなと。声もハスキーだし。モデルさんかアーティストとかですか?」
「もしかして、私みたいなのを初めて見たの?」
「ええと…。」
「おネエって言うのよ。性別は男性だけど、恋愛対象も男性よ。」
「すいません。僕、勉強不足で。」
「いいのよ。私は、このバーのオーナーのカオルよ。カオルママって呼んで?あなたは?」
「僕は、観月亮です。」
「じゃあ、亮くんね。」
これが、カオルママと僕の出逢いだった。
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