君に告げる音

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こんなにも現実感がないのは、君が本当はまだどこかにいるからじゃないだろうか。 珍しく私よりも早めに目を覚まして、切らした煙草を買いにコンビニにまで出かけているのかもしれない。そんなことが、前に一度だけあった。 あぁ、でも──── 煙草はやめたんだっけ。 少し膨らみ始めたお腹がキューっと張って、君が煙草を辞めた理由を思い出した。 この子のため。私のお腹に手をあてて、嬉しそうに笑っていた君の顔が瞼に浮かぶ。 君の温もりを思い出して手をあてたお腹は、少し痛いくらいに固く張っていた。 この子も、私の気持ちを感じて不安になっている。今朝がこれまでと違うことに、きっと気付いているんだろう。
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