君に告げる音

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◆ ジリリリリ……と、ベッドの横のサイドボードに置かれた目覚まし時計が鳴り始めた。 窓の向こうに見える空は、日が昇ってすっかり明るくなっている。 サイドボードの目覚まし時計が鳴るのは、毎朝七時十五分。朝の苦手な君が、起きなければいけないギリギリの時間だ。 スマホのデジタル時計の時刻は既に七時十八分。毎朝同じ時間に時を告げる目覚まし時計の針は、きっかり三分遅れている。 それを知っていながら、君は頑なに、アナログの目覚まし時計が七時十五分を告げるまでは起きてこない。 欠伸をしながら寝室を出てくる君に私が呆れ顔を向ける度、君は笑ってこう言った。 「だって、三分得した気分になるだろ」 得意げに笑うその顔を、私は二度と見られない。
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