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妊娠五ヶ月が過ぎてようやく悪阻が治まると、少しずつ私の生活リズムは安定し、また君と一緒に図書館に行けるようになった。
お腹の膨らみはまだほとんど目立たないけれど、わずかに胎動らしきものも感じられるようになった。それを伝えたら、君は自分がその不思議な感覚を持てないことをひどく悔しがっていた。
早ければ、そろそろ赤ちゃんの性別がわかる。男の子でも、女の子でも、君に似た穏やかで優しい子になってほしい。
君と私と赤ちゃんと。三人で暮らす、これからの日々が楽しみだった。
この先にあるのは、眩しく輝く未来。君とずっと、いつまでも笑い合う。それ以外の道はないと思っていた。
つい、三日前までは────……
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