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「いくら敵対視しているからって、彼らのやり方はどうかと思いますが。古典的だし、何より子どもじみていると思いませんか? 今どき、上履きを隠したり、椅子の裏に落書きしたり、答えられなくなるまで私にばかり集中的に回答を求めたり、高校生にもなってまるで子どもだし、大人もまた子どもです」
私が苦笑いすると、
「ヤツらにとってはそれが精一杯なのさ。ゲルにやられたらアタマはほとんど機能しなくなる。だからやり方は画一化されてしまう。マニュアルがないと動けない。可哀想な存在なんだよ」
部長は静かな口調で言うと、もやもやした気持ちを鎮めるためでもあるかのように、コツンコツンコツンコツンと人さし指で机を弾いた。
「まあ、他の部員同様、このアプリはきみの好きなように使ってもらってかまわない。クリーンアップの完了に期限はない。だから攻め方は自由だ」
部長はまた含み笑いをした。
「わかりました。有意義に使わせていただきます」
私は部長に一礼すると、早速、街へ駆り出すことにした。
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