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アイに言われるがまま、設定はどんどん進んでいく。
「スマホ版をダウンロードするとGPS機能や遠隔操作が可能になりますよ」
「それは便利そうだな」
僕は新しいおもちゃを手に入れた子供のように、疲れも忘れてパパッとスマホでダウンロードを開始する。
「他にはどんなことができるんだ?」
僕はスマホを触りながら、横目でアイに向かって話しかける。
「電子機器であれば、権限をいただくことでインターネットや、Bluetoothを通して操作することができます」
僕は気が付くと全くキーボードを弄らずに、普通に人と話すようにして、アイに質問をしていた。
そのことに僕はおかしくなって、声を出して笑ってしまう。
「何かおかしかったでしょうか?」
僕の笑い声に、アイの無機質で機械的な声が反応をする。
「いや、ごめん。ただ普通の人と話しているみたいで楽しいなって思ってさ。それで、操るって具体的にどんな事ができるんだ?」
「お風呂でしたら、スマートフォンのGPS機能を使って、家に着く頃に沸かしておくこともできます。玄関がオートロックの場合、スマホをかざしていただくだけでロックを解除することもできます」
「ほぉ、それはいいな。この頃面倒でシャワーしか使えてなかったからな」
スマホの連携が終わって、僕はパソコンの液晶に向き直って話しを続ける。
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