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「良かった。では、早速、シグマを迎えに行って欲しい。彼女と共に犯人を追ってくれ」
愛宕は言われるままに、再びシグマのいる特殊拘置施設まで戻る。今度は一人で。
▲▽▲
特殊拘置施設の受付け前。既にシグマの姿があった。隣には刑務官がいる。
先程会った時と変わらず、ゴーグルで目を塞いでいた。
「ねえ、それ、外さないの?」
「外す必要がないもの」
「そう、じゃあ行きましょう」
既にシグマの外出手続きは済んでいるようだ。
本来なら手続きに必要以上の時間がかかるはずだが、今回は捜査協力ということもありさほど時間がかからなかったらしい。
「どこへ行けば良い?」
「そんなの決まってる。東京駅だよ。そこにΧがいる」
駅に向かう車内でカイを特定した方法を聞いた愛宕だが、辛うじてわかったのはシグマがオリジナルのAI『Ω』を組んで、Ωにカイの行方を追わせていると言うことだ。
「ねえ、もし今追っているのがカイじゃなかったらどうするの」
「その時はボクが罰を受けるだけ。でも自信があるよ。絶対に彼だ」
シグマには確信があるようだ。
愛宕は何も言わずに、アクセルを踏み込む。
東京駅が見えてきた。
近くのコインパーキングに車を止め、愛宕はシグマを連れて徒歩で東京駅へと向かう。
東京駅の駅前広場のベンチにカイはいた。
彼を囲むように、私服警官が辺りに配置されている。
余程の事がない限り、彼は逃げ切れないだろう。
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