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「真犯人がいるってこと?」
愛宕の疑問にシグマは答えない。
「……ねえ、ねえ!」
「あー、もう! 説明するよ。あいつが作ったアプリはボクの犯罪者追跡システムを使ったものだった。それをあいつに流したやつがいる」
しつこく声をかけてくる愛宕にシグマはため息をついて答える。
カイが自力でたどり着いた可能性もゼロではないが、かなり低いらしい。
「もしかして……」
「ボクの考えが間違いでなければ、警察関係者の中に首謀者がいるはずだ」
「そんな……」
連続暴行事件、いじめ代行アプリ事件は解決に近付いているが、まだ闇は深そうだ。
今回の事件を機に、特殊拘置施設内にサイバーセキュリティ室が設置された。
シグマを施設内から出さずに捜査協力をさせるための部署だ。
いじめ代行アプリの事件からひと月がたち、警視庁内に『未解決・凶悪犯罪捜査室』を開設。
シグマこと時雨真呼、緒方愛宕の二人もその所属になったが、相変わらずシグマは特殊拘置施設内で過ごしている。
松見海は取り調べ中に意識を失い、病院に搬送されたが未だに目覚めず、真相はまだ明らかになっていない。
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