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少しすると、パズルゲームだった画面が切り変わった。
黒い背景に赤い文字、不気味な雰囲気をまとっている。
「はい、これ。いじめ代行アプリの画面です」
ホラーゲームのような気味の悪い画面には、3つのメニューがあった。
ターゲット登録、ターゲット(未)、ターゲット(済)の3つだ。
「借りても良いかしら?」
「どうぞ」
少女の許可をとってスマートフォンを操作する。
ターゲット(済)のメニューを開くと、数人の名前が出てきた。
「井上さん、これ……」
「ああ」
画面に並んだ名前は、今までの傷害事件の被害者たちのものだ。
しかも、名前だけでなく、顔写真まで載っている。
「これ、何てアプリですか?」
「ΧgameSって言う、ゲームアプリです。ゲーム自体の出来も良くて……特殊な操作でいじめ代行アプリの画面に」
ゲームアプリに偽造しているようだ。
愛宕は井上と顔を見合わせ頷く。
「ありがとうございました。そうだ、お名前聞いても良いですか」
「松見海です」
「そう、松見さん。ありがとう。この件で何かあれば中央署の刑事課まで連絡をください」
愛宕と井上は、海と別れたあと署に戻ることにした。
上司に報告し、場合によってはサイバー犯罪対策室の協力を仰ぐ形になるだろう。
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