ごあいさつ

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ごあいさつ

 すっかり冬の様相を呈してまいりました。皆様、風邪などひかれていませんか。洲道美宏です。  まずはご報告。来月の更新はお休みさせていただきます。  年末はやはり忙しいのと、結構ぎりぎりで更新していたことが理由です。申し訳ありません。次回更新は2月13日を予定しております。  一年というのはあっという間。今年もきました年末、大掃除。いい加減、昔の小説をどうにかせねば。(切実)  毎年、寒くなってくるとまず手が乾燥してくるのですが、今年は早いうちからハンドクリームでケアしていました。ところが、ちょっと油断してつけなかったら乾燥しまくり。手をついた拍子に手の平が割れるという、わけの分からないことに。指の関節とかならともかく、手の平て。感情線? でしたか。先端が見事にぱっくりと。皮膚が裂けた瞬間が分かって戦慄しました。ピシって感じだった、ピシって。おかげで使いづらくてしょうがない。  しかも、手を洗わないわけにはいかないので、恐る恐るハンドソープを付けた瞬間、心臓止まるくらい沁みて「うっ」と唸り声が出ました。アニメみたいな「うっ」でしたね。こんな小説を書いていてなんですが、人間ってほんとに咄嗟に「うっ」て出るんだなと実感した一瞬でした。皆様、乾燥ケアは油断せず、念入りに行いましょう。  話は変わりますが、自分の作品を頭から読み返していて、ふと思い出しました。舞台が京都なら、京都弁で書くべきだろうか迷っていたなと。  しかし、宗史たちを京都弁にしたら、大河たちも山口弁にしなければいけない。さらに美琴が神戸出身なのでそちらにも合わせないといけなくなる。全編通して方言が混じるのは読みづらいのではと思い、一応標準語にしました。  しんどい、えらい、などは方言ですが、関西弁はテレビなどで聞き慣れている人も多いと思うので多用しています。ですが、山口弁はなかなか。イントネーションは標準語に近いらしいですが語尾に特徴があり、聞くだけならともかく、文字に起こすと非常に読みにくい。  例えば、第二章で大河と省吾が喧嘩するシーン。 「じゃあ何が正解じゃったん!?」  口の端から流れる血を手で拭いながら、省吾が切羽詰まったように叫んだ。頬がすでに赤く腫れている。 「このままじゃ二人とも死ぬかもしれんって状況であれ以外の選択肢って何があるん! お前じゃったらどうしちょった!? 教えてくれよ! あの時どうすればよかったんか、どうするのが正解じゃったんか教えろよ!」 「正解とか不正解とかそんなこと言っちょらん! 勝手に死のうとすんなって言うちょるんじゃ!」 「あんな状況でいちいち相談なんかしちょられるか馬鹿!」 「そうだよ馬鹿だよ俺は! その馬鹿が必死に無い頭捻って二人で助かる方法考えよったのにお前が勝手に死のうとしたけぇムカついちょるんじゃろうが! 察しろ馬鹿!」 「悠長に考えちょる暇なんかなかったじゃろうが! お前が遅いけぇ俺が判断したんじゃろうがこの単細胞!」 「判断すんならもっとまともな判断しろっちゃ、頑固ジジイ!」 「十分まともじゃったじゃろうが! って誰がジジイだ表出ろ!」 「よぉし、やっちゃるわ!」  みたいな感じになります。方言は、同じ県内でも地域によって異なるので多少の差異はあると思いますが、山口県は基本的に語尾に「ちょる」が付きます。公式のゆるキャラの名前が「ちょるる」というくらい。じいちゃんばあちゃんの世代になるとさらに癖が強くなって、いっそ可愛いです。てか、感嘆符多すぎだな。  これを全編通してというのは、書くのも読むのも辛い。さらに、語尾に特徴があるだけならともかく、ガチの方言はその都度説明を入れなければいけなくなる。例えば「たう」。届く、という意味です。 「たう?」(届く?) 「無理、たわん」(無理、届かない)  という使い方をします。これを地の文や会話で説明すると、テンポが崩れる上に、もともと多い地の文がさらに増えて、収拾がつかなくなる。  方言は雰囲気を出すには最適な手法ですが、関西弁のようにどれだけ世間に浸透しているか、それと作品によると思っています。方言でかけ合う大河たちも面白いかなと思いますが、大変なので。ええ。  口調といえば、大河は初めの頃は今よりも乱暴な感じですね。キャラ設定に迷いが見える。逆に宗史は少しきつくなってるかな。  宗史は、本当はもっと堅物なイメージで書いていました。しかし途中から違和感を覚えはじめ、ちょっとずつ方向転換。そしたら今のような大河に甘い人に。甘いといえば、冬馬も大概樹に甘い。ほんと何なのあの二人。  キャラクターの設定は、変更したものもありますが、あとから付け加えたものもあります。紺野さんの綺麗好きで料理上手がその代表。その場の思いつきで加えたんですが、これが意外といい味付けになってきています。  じっくり考えた設定やネタが、いざ書くとしっくりこず、ふと思い付いたものが面白い方へ転がるなんて、ままあることで。もったいないなぁと思いつつ、無理に進めると後々話しが繋がらなくなったりするのはすでに経験済みです。潔く捨てることも大事。ええ、分かってますとも……。  冒頭でもお知らせしたとおり、来月の更新はお休みをいただき、次回は2月13日更新予定です。またその頃に、ふらりと覗いていただければ幸いです。  今年もたくさんのいいねをいただき、本棚登録をしていただきました。本当に、心から感謝しております。  話が進むごとに成長したキャラもいれば、まだまだこれからのキャラもいます。私自身は果たしてどうなのか分かりませんが、キャラ共々、一歩一歩成長し続けたいと思いますので、来年もどうぞよろしくお願いいたします。  コロナ第八波、そしてこれからはインフルエンザの季節でもあります。どうか皆様、くれぐれも体調にはお気をつけて、良いクリスマス&良いお年をお迎えください。  また次回更新でお会いしましょう。 2022年12月13日 洲道美宏
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