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6年前
遠くから軽トラが猛スピードでやってきて、駅前ロータリーにギギギと急ブレーキで止まった。
中から黒タイツの人型が2人飛び降りてきて、1人が俺のほうにやってきた。
「なんだ?」
黒タイツはゴメンねとペコペコして背後から俺の目を塞いだ。だ~れだ?
「黒タイツ!って、何しやがる!」
俺がふりほどくと怪人は横たわってピクリとも動かなくなっていた。
どういうことだ?!スイッチでも有るのか?どこに有るのか教えてくれ!
黒タイツはダメダメと首を横に振り、怪人を軽トラの荷台に放り込んでブオーンっと帰って行った。
俺は橘のおやっさんのスナックに行くと、今日の出来事を報告した。
「怪人が市民に危害を加えたと言うんだな…」
おやっさんは難しい顔をして考え込んだ。
「怪人の目的は我々のはずなんだが…よし、お前に怪人の成り立ちを教えといてやろう」
どうやら真面目な話のようだ。俺はカップうどんを啜りながら聞くことにした。
「6年前、俺よりも先にバイクレースを引退した産神の奴が何かを企んでいると噂がたった。そこで儂はそれを確かめることにした」
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