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滅多に涙を流さない私…
どんなに泣ける映画だろうと、泣けるドラマだろうと決して涙を流さない
周りからは、強者や鋼のメンタルとか言われる
けど、そんな私にも1つだけ涙を流す瞬間は、ある
それは、未練坂と言うお店に行けば泣くのだった
今日も私は、仕事終わりに、未練坂に行った
そして、いつものカクテルを頼み1人黙ってカクテルを飲む
周りかにはお客さんは居る
中高年のサラリーマンや、疲れきった若いサラリーマン、失恋したのかわからない男性や女性
老若男女問わず必ず、お一人様しか居ない
グループや仲間内とかの人は居ない
このお店には、ルールがある
・必ず飲み物を注文する
・必ず1人での来店
・私語はしない
・メール、電話(仕事は除く)はしない
以上のルールを守れない場合は、金額の2倍の料金を払って貰い、入店の拒否をされる
初めて来た人には、このルールの意味はわからないだろう
しかし、通えば通うほどここのお店のルールの意味を知ることができる
このお店は、普段理由が有っても人前では泣かない人達のお店である
この店に来ればどんなに立派な上流役員だろうと、どんな格好いい人でも泣いてもいい場所でもある
私もこの店に来ていつも泣いてる、仕事で嫌なこともプライベートで嫌なこともでも、決してこのお店以外では泣かない私ですら、このお店で泣く
今日も、このお店に立ちよったのは三年間付き合ってた彼に振られたからだ
しかも、それが重大なプロジェクト中で一番きつい山場の時に、LINEであっさり振られたからだ
一見常識のない彼氏、しかしなぜ、そんな時に振ってきたのか、それは取引先の社員で、この日たまたま同じプロジェクトの作業中に、私の社員の女の子をナンパしてるのを私が見かけた
そして、それを先方の上司も見ていて流石に不味い空気になった
次の休憩中に彼は怒られてそこですぐに別れを伝えたとのこと
そして、このプロジェクトもお釈迦になってしまった
言うなれば、私情を挟んでのことだが、相手からすればこれは大問題、しかも相互の取引先となれば、これはこれで私情で有っても会社側は非難されるだろう
それを踏まえてなのか、相手の上司の判断なのかもしれないが、プロジェクトの作業中にするものなか?
私は、そんな男を選んだことを酷く後悔してる
そんな自分が情けなくて、涙が溢れた
プロジェクトをお釈迦にしたのも、私があの男と付き合ってたせいでもある
だから、私はこの店に来て思いきって泣きたい
全てを忘れることができる
何もかにも忘れてしまう事ができる
そう、これが私の涙を流す理由かもしれない…
数日間この店に通った、そのあとはもう一度スタートしなおしてまた始める
躓いたらこのお店にきて私はまた泣くでしょ
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