抑えきれない欲望!私、どうなっちゃうの!?

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抑えきれない欲望!私、どうなっちゃうの!?

「ふうっ、お待たせしました」  シャワーを浴び終えた愛理が赤いバスローブを着用して登場。濡れた毛先に火照った頬、実に色っぽい。クンカクンカ、鼻を動かせば薔薇のような上品な香りがした。ボディソープかしら。ここのアメニティは充実しているわね。  それよか次は私の番。SMグッズが大量にある部屋に二人を残すは危険。こんな場所で恋愛フラグと三咲が勃たないはずがない。だからってシャワーを浴びないのは不潔。――そう、答えはシンプルに。高速で済ませればいいことよ。  脱水所に入ったらすぐさま全裸。新しい替えの下着とバスローブを洗面台の横へ置いたらすぐさま熱いシャワーで汗と皮脂を流し、シャンプーで頭皮をガーッと洗ってボディソープで股間重視でワーッとこすって洗い流し。ここまで約三分半。後はラストスパート。この量が半端なく多い髪をドライヤーで乾かさなければならない。タオルドラなんて生温い。水分を少しでも減らすよう頭が取れんばかりに振り回し、そこへ高温のドライヤーを投入。毛先まで乾かすなんてやってられん!! この間に二人がいい感じになっているかもしれない。早いとこ終わらせないと!  七割ほど乾いたらドライヤーを切り上げ、全裸に新品の下着をつけ……ううん、一応限界まで胸を寄せておいてっと……。 「お待た!!!」  自分でも驚く早さでシャワーを済ませることができた。部屋に戻るとソファーで愛理と三咲がコンビニの菓子パンやおにぎりを食べていた。よっし、見たところ恋愛ムードにはなっていないようね。 「ちゃんとシャワー浴びてねぇだろ。くっさ」 「はい? あんたに気を使って早く切り上げたんだから感謝しなさい。ゆぅっくりバスタイムを楽しむといいわ。さ、いってらっしゃぁ~い」  ニヤニヤする私に三咲は対した反応もせず、無言でシャワーを浴びに行った。あいつは私みたいに早く出てこないと思うけど、男がいない時間はすっごい貴重なことに変わりはない。 「隣、失礼するわね」  黒い革のソファーへ座り、愛理へとさりげなく距離を詰めた。そこからテーブルの上にあるジュースやら菓子パンを取ってもらうのを機に、ますます身体を近づける。互いの肩は擦れ擦れ。無意識に愛理の胸元に視線をやればバスローブから今日買った新しい下着がこんにちは。 「~っ!!!!!!!!」  思春期の男子中学生みたいな、とんでもない性的衝撃波がきた。試着室で愛理の下着姿なんてこれでもかってくらい目に焼きけた。けれど、それは下着が拝めるシチュエーションが成り立っていたから。何が言いたいかというと、日常でさりげないパンチラやブラ透けの方がエロいってこと。  ハァハァ……。あかん、呼吸が乱れちゃう。押し倒して欲望を叶えたいけど、理性がまだしっかりと生きている。生きている限り、絶対に下手な手出しはしないんだから! 「あの、どこか具合でも悪いですか?」 「え!? な、なぜ!?」 「手に持っているパン、すごく潰れているので」  げっ、性欲を抑えるのに必死で食べようとしていた焼きそばパンがぺちゃんこになってる。 「オホホホ、焼きそばパンは手でプレスした方が美味しくなるの! それよりも、靴擦れの方は大丈夫?」 「はい。きっと今日休めば明日には歩けるようになっていると思います。思ったより皮剥けも酷くないんですよ。ほらっ!」  愛理は自ら大胆な行動へ。バスローブの裾幅を上へ持ち上げ、美しいおみ足を披露。ムダ毛が一本もない肌触りの良さげな細い足が爪先から太ももが。腕を伸ばせばすぐに触れるし、きっと頼み込めばたくさんお触りさせてくれる。今日はカラオケで嫌なことがあったんだから少しいい思い出作ったって……ば、バカ! 愛理へ犯した失敗を愛理で上書きするのはちょっと違うでしょ! それに三咲に後からボコボコにされるかもしれないんだから! 痛いのは誰だって嫌よ、うん!  細い糸が切れんばかりの理性がなんとか持ちこたえた。気を取り直してテレビでもつけようとソファー横にあるポケットに腕を入れるとリモコンと電動マッサージ機、略して電マが仲良く置かれていたのだ。  ★究極の二択――!
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