8人が本棚に入れています
本棚に追加
優一は、面倒臭い奴が嫌いだ。
かまってちゃんとは積極的に距離を置くタイプだ。
最後に一度会って、それで縁を切る……これが最良の選択か。
意を決し、ゴミ箱の底からゴミクズを拾い上げた。
広がらないよう固く丸め込んだのを、破かないよう注意深く広げていく。
不快な文章に再度目を通したが、優一の探している情報は見当たらなかった。
つまり、目的地だ。
百歩どころか千歩譲歩し、興味は微塵もないところ「私」の所在まで馳せ参じてやろうというのに、肝心の行き先が書かれれていなかった。
心底嫌だったが、汚らしい封筒をつまみ上げた。
純然たる汚物に思えてくる。
靴跡があるということは地べたにあったという証拠であり、そこにあり得るモノ――動物の糞尿や酔っぱらいの吐瀉物などとの接点が否定できないのだから。
最初のコメントを投稿しよう!