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「ええと……さ……くら……サクラ商店……ですかね」
「ああ、佐久良さんね。
そんならすぐそこよ」
店名がわかれば、あとは早かった。
教えてもらったとおりに、青い屋根を目指す。
直線距離だとたいしたことはないが、途中の急な下り坂と長い上り階段が難所だった。
おかげでウーロン茶がなくなった。
佐久良商店は、パンや菓子なども取り扱う酒屋だった。
昼を回ったせいか、パンの棚はほとんど空だ。
優一は飲み物のコーナーへ直行し、ミネラルウォーターを手に取った。
レジに商品を持っていくと、奥から70過ぎくらいの爺さまが出てきてくれた。
「はい、天然水、120円ね」
「じゃ、これで。
それとひとつ、お尋ねしたいことがあるのですが」
「はい、なんでしょ」
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