★頂いたリュシーのFAに寄せての小話

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★頂いたリュシーのFAに寄せての小話

(Side:リュシー/イラスト:あーる様)  柔らかな風が頬を撫でる。  周囲をぐるりと取り囲む木々は揺れてはいるが音はしない。  風はあるのに、凪いだ湖面は鏡のように青い空を映しているだけだった。  ああ、これは夢だと夢の中で思う。  気がつくと俺は、見覚えのある湖畔に佇んでいた。  巡らせた視界の中で、近くの木の上から数羽の鳥が飛び立った。それでもやはり音はしない。  俺は頭上を仰いだ。抜けるような青い空に雲はない。  そこにひらひらと一枚の羽根が落ちてくる。  俺は手を差し伸べそれを受け止める。  灰がかった青色の華奢な羽根が、指に触れたとたん、小さな青い鳥へと姿を変えた。  鳥は指先に止まり、物言いたげに俺を見詰めた。  俺は小さく笑みを滲ませ、その鳥を空へと放つ。3692260d-cf1e-42bd-9a09-834dd27024e8 「……俺はいい」  呟いた声が、微かな羽音に紛れて消える。  リンと足首の輪が鳴った。  END ーーーーーーー ✿あーるさま(https://estar.jp/users/147431514)に、【非日常的日常は平穏とは言えない】https://estar.jp/novels/25693473のリュシーを描いていただきました。 雑記帳(https://estar.jp/novels/25762980/viewer?page=47)にて先にご紹介させて頂いたのですが、どうしても小話をつけたくなっていたので、こちらにも。イラストを何度も拝見し、頭に浮かぶままに書いてしまったので、あーる様のイラストへの解釈とは違うところもあると思うのですが🙏💦少しでも楽しんでもらえると嬉しいです。ありがとうございました!😊💕 ✿あーるさんご自身の【ファンアート集】 https://estar.jp/novels/25568477 https://estar.jp/novels/25568477/viewer?page=41 の方で語って下さってる解釈が本当に凄くて、こんなことまで汲んで貰えてるなんて……!と感激しながらこちらも何度も読ませていただきました。 本編の方は再開と言っておきながらまた止まってますが💦気長にお待ち頂けると幸いです。🙇‍💦 2021/05/27
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