落下

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足場のない旅をしている 目が機能していない 上下左右がまるで分からない 歩いてみるが進んでいる実感がない 足場のない旅をしている 肌が機能していない 風も温度もてんで分からない 歩いているが動いている実感がない 足場のない旅をしている 耳が機能していない 音がとんと分からない 歩いているつもりだったが揺れているだけだった 何かが私を通り過ぎた 目が肌が耳がそれを感じた それは石のようで それは高熱で それは轟音だった また何かが私を通り過ぎた 目が肌が耳がそれを感じた それもまた石のようで それもまた高熱で それもまた轟音だった また何かが私を通り過ぎた また何かが私を通り過ぎた また何かが また 足場のない旅をしている 私の目は正常だった 私の肌は正常だった 私の耳は正常だった ただそこに何もなかっただけだった 足場を見つけた 足がついたかを私は知らない
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