81.ガヤマ VS シマ

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「そうか?そうかな?もうしばらくすれば、トゥリヤは壊滅、ドーミヤの天下になる日は近い……シェグドの勢いはもうとっくに地に堕ちている。お前がいなくなれば、敵はいないも同然だ。俺の手に、地の全権が手に入る……ここでぬるいことをしていれば、後に禍根を残す。俺は、もはや抵抗する者がいなくなるほどに徹底的に叩き、全ての民をドーミヤ国家に屈服させる……ドーミヤの民以外は全て排除、排除、排除だ!俺の世界、俺の地球だ……!」 「あなたは、ただの人間。地の全権はどうしたって、あなたの手に入ることはない」 「……それはどうかな?現に……」  ガヤマはにやにやと笑い、嘲笑的にシマを見下そうとした。  しかし瞳を合わせた瞬間、ガヤマの顔は硬直した。  シマのまっすぐな、射るような視線が、心を抉るように突き刺さった。  シマは冷静に言葉を紡いだ。 「あなたの魂が、この地上にある間は、あなたはその短い栄光に酔うことが出来るかもしれない。けれどそれは本当に束の間の……一瞬のことでしかない。そしてそれはとても意味の無い……子供のゲームよりも悪質で自分勝手なものだ」 「何を……?」  ガヤマは愚弄されたことに腹を立て、血走らせた目を更に大きく見開いてシマに突っかかるように近づいた。二人の距離は、一メートル程に近づいた。
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