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「あたしには見える……今、あなたの背後に核兵器と、それから何か蠢くモノが。これは多分、あなたの思惑、計画でしょう……?あなたはトゥリヤに対して殲滅を謀ろうと、何度もその使用を考えている。最終手段と言いながらも、あなたは使う時期を慎重に検討している。あなたは核を甘く見ている。核はおもちゃじゃない。あなたの思想は危険で傲慢で、人道から外れてしまっている」
「は……な……どうして、それを」
ガヤマは度肝を抜かれたように立ち尽くした。
衝撃で、喉から水分が一気に飛んで行く。
復旧可能な核施設を発見したのは十年前だ。
その整備をしていることを知っているのはごく少数の者に限られている。
そしてあの生物は、四年前に『奇跡の森』と呼ばれる放射性物質の浄化が異常に早い森で、その原因探究途上で見つけたものだ。
最近になってフランクに管理責任を負わせることにしたが、まだまだ国の上層部の一握りしか知り得ぬ重要機密事項となっている。
それをなぜ、この娘は今、言い当てているのか。
知るはずの無いことを、本当に……背後にスクリーンでもあるかのように見えているとでも言うのか。
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