シスターは神を愛する

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シスターは神を愛する

「……あら、珍しいですね この教会にお祈りに参らしたのですか?」 とある教会 外は大雨だったため、雨宿りにと僕は急いで教会へ入った すると、シスターがそんなことを聞いてきた 僕は慌ててこう答える 「えぇ…まぁ…」 神など信じないがまぁそういうことにしておこう 怒られたら怖いし 「……そうですか あぁ、申し遅れました わたくし、ここのシスターをしております リリィと申します」 静かにお辞儀をしたシスターに僕も釣られてお辞儀をぎこちなくする そして手にあった本を持ち、頬にあて、スリスリとし始めた 「先程まで聖書を読んでいたのですよ 我らが神は絶対だという証拠を…」 どこかネジが外れているような気がした どこかおかしいような、壊れているような、そんな感じ 「……人間は醜い生き物だと、神はおっしゃいました」 シスターはステンドグラスを眺めながら独り言でも呟くかのようにそういった そして続ける
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