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「あなた様は、わたくしが否定する虚像の神を信仰する者なのでしょう?」
遠回しだが、察した
要は『神を信じていないな?』ということだろう
それを察した瞬間、背筋に悪寒が走った
そんな僕を見てシスターは笑う
「ふふっ…やはりそうなのですね
見逃しておりました
こんなところにも
神を侮辱するゴミがいたとは」
低い声
見開いた目
まるで悪魔だ
「早く神のために片付けなければ…」
怖くなって後退りする
「あぁ、安心してください
痛くはしませんよ
ただ、一瞬のことですので」
笑顔でそう言われた
誰が安心できると言うんだ
自分の命がなくなるというのに
「それでは
神が許すこの場で断罪いたしますね?」
シスターが取り出したのは大振りのナイフだ
僕はその時初めて死を身近に覚えた
「ではまた来世で会いましょう
さようなら」
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