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晃平と天使様・壱
「(「´・д・)「 シャー」
「うん、晃平、とりあえずラーメン投げるのやめよう?」
「麗遠、アレラーメンチガウ。ラーメンという名の狂気」
晃平の姉は、壊滅的なレベルでメシマズだ。
そんな彼女にインスタントラーメンを作って貰ったのだがーー
……何をどう間違えればそうなってしまうのか。
触手のように蠢く麺、目玉の生えたチャーシュー、笑うワカメ。
晃平は声無き悲鳴を上げてラーメンの入った丼をぶん投げた(真似してはいけない)。
投げたラーメンの入った丼は上空を飛行していた男に直撃しーー
「……痛え……」
男を地上へと墜落させた。
「……羽生えてるんだけど、この人」
光一がボソリと呟くと、男は身体を起こしてこう答えた。
「天使だからな、俺は」と。
……その答えを聞いた晃平がチベスナ顔になったのは言うまでもない。
「スイマセン、ナニイッテルンデスカ」
「いや、事実なんだって!『堕』が付くけど」
「何やらかしたの?何で堕天使様が呑気にこの町の上空飛んでんの?」
晃平と光一が男に問いかける中、麗遠が男の背中の六枚翼を見て目を見開いた。
「……嘘でしょ、なんで貴方が……『ルシフェル』様」
「「え」」
……麗遠の口から出た、その名はーー
あまりにも、有名な、堕天使の名だった。
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