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神の悪意とチョコもち
コンビニに立ち寄って購入した生チョコもちを一つ口に運んでは、甘さとほろ苦さ、そしてもちもちとした食感の良さに顔が綻んだ。
(人間は色々やるねえ。天使には到底出来ないぜ、こんなの)
宵月肆怒は、『神の悪意』を意味する名を持つ堕天使だ。
訳あって(そのままだと何も見えないままだったからである)戦闘用ホムンクルス(どうせ人間が『戦争』とやらで利用しようと作ったのだろうが)の肉体に宿っている。
肆怒は、この肉体に宿って正解だった、と笑みを浮かべた。
生チョコもちを始めとした『チョコレート系』は肆怒の心を喜びで満たした。
チョコレートが貰えるなら嘘を吐く事も我慢出来る。
「……晃平にも食わせてやるかね」
そう言って、肆怒は残り八パックの生チョコもち(コンビニをあちこち巡った結果)を入れた袋を持って帰路に着くべく、食べかけの生チョコもちを食べ切ってから食べ終わった生チョコもちのゴミをポケットに入れ、歩き始めた。
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