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その一言に込められたーー
※何でも屋と人形師のアレコレの『地獄の底だろうと、何処だろうと』から数日後の話
※約一名がカニバ経験がある事を仄めかしてる
「薙織哉にーちゃんってたまに怖いこと言うよね」
「……何がだ」
「命を奪う事に躊躇がないというかなんというか」
『誰か矯正ぷりーず』と書かれたプラカードを掲げるテディベアサイズの晃平を一瞥し、薙織哉はすぐに読んでいる本へと目線を戻す。
「……人間は息を吸い、吐くことで呼吸を行う」
「ぞんじあげておりますが( ・ ∇ ・ )」
「命を奪う事も同じだ。命を喰らわねば生きられない。人間は呼吸だけでは生きられない」
何か問題でもあるのか?
晃平を見もせずに問いかける薙織哉の声に殺気が込められていた気がして、晃平は首を横に振る事しか出来なかった。
聞けない。聞きたくない。聞いてしまったらきっとーー
そう考えながらも、晃平は、彼に問うた。
「……食べた事、あるの?」
晃平の問いかけに、薙織哉はこう返した。
「……何か問題でもあるのか?」と。
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