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晃平くん、おこおこです・黒猫と黒式部
※毒親の話が出てきます
※引き続き似非方言注意(方言変換サイトさんを使用しています)
「……いきなり電話で『おなごん子ん親に連絡取ってちょうやい、なるべく早う』とだけ言ってきたのはこれか、アヤナガ」
「流石、主はんは仕事が早い。……綺麗にならはったから益々可愛くならはったわ、少女ちゃん」
ボサボサだった髪は洗われて結われて三つ編みになり、薄汚れていた服は新品の白い長袖のワンピースに新品の子供用白ソックスに着替えた少女を見て、アヤナガ、と呼ばれた女性は微笑む。
「というか店長って璃燿さんと知り合いだったんだね。はい、ホットココア。熱いからゆっくり飲むんだよ。あと店長、少女ちゃんじゃなくてサヤちゃんだよ」
「……ありがとう、こうへいおにいちゃん」
『仲ようなるん早いわ』というアヤナガの呟きをスルーしつつ、晃平は支度を始める。
状況次第では動かなくてはいけないからだ。
「……父親は海外へ出張中、母親は若い男と仲良く……つまりそういうことだ」
「……なら、ウチが動くわ。晃平、サヤちゃんのこと任せた」
「任されました、っと。サヤちゃん、お兄ちゃんと一緒に居よっか」
晃平の言葉にサヤは頷いて、二杯目のホットココアをゆっくり飲み始めた。
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