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晃平君とお買い物の巻
鰻が食べたい。
以前、光一にそう強請ったことがある。
「はい、これ」
そう言われて渡されたのは蒲焼っぽい味がする駄菓子であった。
晃平の通う高校は、アルバイトが禁止されていた。
が、ここ近年は許可が出ればバイト可能になった。晃平も許可を貰って依頼を引き受け、仕事をこなしている。
(勉強はもうその先まで祀樹に教わってるけど……大学、どうしよ)
考え事をしつつ、晃平はスーパーの入口に到着した。
アルコール消毒を済ませ、スーパーの籠を持ってスーパーに入る。
鮮魚コーナーで鰻の蒲焼を見つけ………たが、晃平は手に取らなかった。
値段が高すぎるのだ。
(無理無理無理。これ全員分とか俺の財布死ぬ)
頭を抱えつつ、晃平は蒲焼のタレなどを買い、会計を済ませると持って来たマイバッグに買った物を詰めてスーパーを後にする。
帰宅途中、行きつけの八百屋でナスを沢山買い、そのまま帰路に着く。
「今日はナスの蒲焼にしよっかな……」
ご飯の上に乗っけようそうしよう。
「ただいまー」
晃平がそう声を上げると、『おかえりー』という声が返ってきた。
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