9人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
最近トキメキが、ない。
健全な女子高生がこんなんでいいのだろうか。
「ああ、枯れてる」
机に突っ伏して思わず呟いた。
「弥生? 何が枯れてるの?」
「心が」
「変な子だね」
前の席の友人、樋口紗里奈が笑ってる。
「だって、高2だよ? 修学旅行だってある年だよ? なのに、ラブがないなんて」
「私も恋人いないけど?」
「でも、紗里奈は恋してるじゃん」
「恋してなきゃ充実してないの?」
紗里奈の言葉に私は少し黙る。
「そんなことはない、けど」
普通に学校行事も楽しんでる。部活の吹奏楽も忙しすぎるくらいだ。
「じゃあ、いいんじゃ? 好きな人なんて突然できるものだし、探してできるものじゃないよ」
「はあ〜。まあ、そうかあ」
私は納得したようなしないような気持ちで頷いて、再び机に突っ伏した。
最初のコメントを投稿しよう!